授業をしない学習塾・ドリームラーナーズです。学習方法や進路選択に関する指導を専門にしています。拠点は鳥取県倉吉市に置いていますが、ITツールを用いたリモートのコミュニケーションを主としており、県外在住の利用者がいます。一般的な現役生や浪人生のほか、仮面浪人・自宅浪人などそれぞれの事情を持つ受験生の指導も行っています。
私大志望に軌道修正する最後のチャンス
共通テストの直前期にあたる冬のシーズン、国公立大学を志望している学生は、私立大学志望に軌道修正するかどうか考えるべきタイミングです。直前期に至る今、飛躍的な学力向上を期待することはギャンブルに等しく、奇跡を願って共通テストに突撃していくのは挽回のチャンスを無駄にしている可能性があります。
早めに私立大学志望に軌道修正して、数科目に絞った対策をすれば、関関同立・産近甲龍・日東駒専など名の知れた中堅私大には十分合格可能です。当然ですが、軌道修正のタイミングは早いほど本番の仕上がりがよくなります。
前回では、共通テストの直前期になってから中堅私大に志望変更をする学生向けに、進路選択の考え方について解説しました。気になる志望校が見つかったあとは、受験対策が気になるところでしょう。そこで今回は、中堅私大の受験を突破するうえで求められる学習方法について解説します。
がむしゃらな過去問演習は「不合格」に至る道
文系・理系を問わず、中堅私大の受験対策として過去問を大量に解こうとする受験生が後を絶ちません。本音をいえば、過去問をこなしながら実力を磨く学習方法は、基礎学力がしっかりともなっている難関私大志望者向けです。冬になってから志望校を選び直した受験生が、過去問ばかりを解くことは、不合格に至る道を歩むに等しい失策と知ってください。
そもそも、なぜ土壇場になってから志望を変更した理由についてよく考えてみてください。志望変更の目的は「学力が足りないから科目数を絞ることによる起死回生を図りたい」ということだったはずです。最初にすべきことは基礎学力の欠陥を補うことにほかなりません。
フォームが誤っているスポーツ選手が、テクニックを身につけようとしても上手くいきませんよね。同じように中堅私大受験で起死回生を図る場合、まずは基礎学力という勉強のフォームを大急ぎで習得しましょう。過去問に取り組むのは、ある程度の基礎学力が身についてからにしてくださいね。
もちろん、1回や2回ぐらい「お試し」の感覚で過去問を解くのは是非やってみてください。テスト形式など雰囲気を知ることが目的です。ただ、目的を間違えないように!
過去問演習では基礎学力の欠陥を補うことはできません。誤った一石二鳥に陥らないでください。
中堅私大は教科書で十分!市販教材はサブに
基礎学力の習得において、特別な教材は不要。教科書レベルの教材を選び、その理解と実践に励んでください。
理解度のチェックは数学なら教科書の章末問題を使えば十分、英語や国語でも、いわゆる中堅私大レベルの問題集を使えば良いですが、不安があれば追加の教材を使うといいでしょう。
ただし、数学については、教科書以外の市販の教材は、教科書レベルの補助として使ってください。冬になってから分厚い問題集に取り組むことはただの無謀です。
教科書の補助として用いる教材は、全体を短期間でおさらいできる薄い一冊を選んでください。2週間もあれば終わる教材が世間には出回っているので有効活用しましょう。
もちろん、教科書レベルの内容を理解しただけでは中堅私大対策は完了していません。築いた基礎のうえに応用を積み上げていく必要があります。応用にあたる部分を鍛えるステップで過去問を使います。
なお、私大受験といえば、特定の学校の「傾向と対策」というイメージがあるかもしれません。しかし、中堅私大の場合、素朴に過去問をこなす程度で十分です。
たしかに早慶上智やMARCHといった難関私大を目指す受験生は、徹底的な「傾向と対策」で実力を鍛える必要があります。ただ、中堅私大の試験には、対策が必要なほどの個性的な出題はレアケースです。
例えば過去問を見て、4択の文法語法問題があるのか、並び替えがあるのか、会話問題があるのか、長文の難易度やボリュームはどうか確かめて、該当する対策を、基本の薄い問題集1冊のみでしていくことを徹底してください。
自分を他人と比べて無駄に焦る必要はありません。自分に必要な勉強に集中してください。
土壇場で学力は伸びない!苦手科目は諦めろ
私大受験では、各校が趣旨にあった多様な生徒を集めるため、受験科目が種々多様です。例えば私立文系では、英語が必須と思い込まれがちですが、英語不要を打ち出している大学も存在します。
一方、私立理系では、数Ⅰや数ⅠAでOKにしている大学があります。数ⅡB以上のレベルに到達していなくもて理系進学は可能ということです。逆に、数学を苦手とする受験生が文系には多いとされていますが、経営学部や経済学部では数Ⅰや数ⅠAを使えることがあります。穴場として注目すると突破口になるかもしれません。
1ヶ月や2ヶ月では、普通、学力を伸ばすことは無理です。しかし、次第受験では、苦手を回避しながら得意なことだけに特化することができるため勉強が苦手な受験生にも勝ち目があるというわけです。
くれぐれも土壇場になってから見栄を張って苦手を克服しようとしないようにしてください!つまらない見栄を張るよりも、志望校合格という目的に集中しましょう。
高3冬から始める中堅私大対策の”原則”とは?
「基礎学力を教科書で固めて、応用力を過去問で志望校に特化した形で磨いていく」
中堅私大対策は、冬から始めたとしても原則としてはこれで十分です。「これだけでいいのに、なんでみんなやらないの?」と思ったかもしれません。私も不思議です・・・。
ただ、強いて言えば余計なことをしてしまっている受験生が失敗に終わっているような気がします。基礎学力を固めるために教科書以外の中級以上の教材を使ったり、過去問以外のハイレベル問題集で応用力を磨こうとしたり・・・・これらは単なる無駄な力みです。
冬から中堅私大合格を目指し始めた受験生は、謙虚に自分の立ち位置を把握すること——これが落とし穴にハマらないうえで非常に大事な心がけです。
ただ、土壇場の志望変更は、受験のモチベーションに多大なる影響を与えるのはたしかです。力んでしまって勉強のフォームやペースを崩してしまうこともあるでしょう。転ばぬ先の杖として、相談できる大人がいると安心かもしれません。そこで、コーチングサービスの活用は、ひとつの解決策といえるでしょう。ドリームラーナーズでは、初回相談は無料で受け付けています。お気軽にお問い合わせください。