· 

問題を解く「数」だけでなく「質」にも要注目!勉強のアウトプットの質は2段階で高めよう

学習指導と進路指導を専門とする 授業をしない塾 のドリームラーナーズです。鳥取県倉“”吉市の教室を拠点に、学習アプリ・LINE・ビデオチャットといったITツールを活用し、地元・鳥取だけでなく遠隔地の指導にも対応しています。

「子供が勉強時間を確保するようになったけど、いまいち結果に繋がらない  」という......趣旨のお悩みをお持ちの親御さんは少なくないのではないでしょうか。受験本番が間近になるほど、子供が勉強に熱心になる一方で、親御さんは伸びない模試の点数に焦りを感じると思います。将来のために頑張る我が子のため、「何かできることはないか?」と想う親心はよくわかります。我が子のためにできることを探している親御さんは、子供の勉強の質にも気を配ってみてください。

「たくさんの問題をひたすら解く」という質の悪いアウトプットを繰り返す勉強法は、勉強しない子供が勉強をはじめた当初でよくある勘違いです。この勘違いはタチが悪いことに、なまじ手を動かすだけに充実感が残りやすいため、一度ハマると中々脱け出せません。生徒自身が「勉強している!」という気分になってしまうので厄介なのです。

「問題の意図を見抜く」と「適切に解答する」は別

勉強のアウトプットの質を高めるプロセスをドリームラーナーズは2段階で考えています。第1段階は、いわゆる基礎固めです

こちらの記事で、「基礎とは簡単な問題を解くことではない」とお伝えしました。基礎固めとは、問題の意図を見抜くために必要な知識をインプットし、その定着を小さなアウトプットで検証すること。受験生を落とすための問題で構成される入試問題は、基礎固めができていないと意図を見抜けないため的外れな解答をしてしまいがちです。

例えば、社会科系の科目なら用語同士の因果や関連といった繫がりを説明できることが必要です。英語や国語なら、類比や対比といった論理を構成する語句を使いこなせる必要があります。

ちゃんと基礎固めができれば、初見の問題の正答率が向上します。基礎固めが進む前は、目の前の問題の答えを記憶の中から掘り出す作業になりがち。一方、基礎固めが進むと、目の前の問題をちゃんと読み解き、適切な知識を選び、それらを組み合わせて解答できるようになります。

むしろ、それが達成されないものを、いくら簡単だからと言って「基礎固め」と呼んだところで、実際にはいくらも基礎が固まっていません。

アウトプットの質を高める第2段階は、適切な解答ができるかどうかの確認です。例えば、目標のレベルに合った過去問に向き合ってもらい、問題で何が問われているのかを見抜き、知識の組み合わせで解答に辿り付く力をチ ェックします。第2段階では、レベルに合った出題が1つのポイント。例えば東大の過去問は、短い問題文から意図を見抜いて解答するには手数がかかるため、相当の勉強の量を確保していないと取り組んでも無駄なので要注意です。

基礎固めの定番問題集:主要3科目の場合

国語

国語と聞くと、道徳の科目と勘違いしてるんじゃないか、というぐらい、本文から離れた、それぞれの思い・信念を問うてると勘違いしている人が多いんですよね。

いや、そうではなく、入試問題というのは、差をつけるために出題される物なので、解答の手がかりは明確で、かつ誰が読んでもそうだと思えるようなものになっています。そのため、誰もに平等に与えられる「問題文」(と、ものによっては「選択肢」)を根拠として読んでいくしかありません。

こう聞くと簡単そうなのですが、ところがどっこい人間は勝手に「行間」とか「道徳」の問題に持って行きたがります。書いていないものを読みたいんですね。目の前にあるものを目の前にあるようにみる、というのは難しいんだな、ということをまずこの本から判ってください。

英語

英語に関しては「文法の知識」および、それを「読解の知識」に転じていく必要があるので、いわゆる基礎という範囲がものすごく広いように見えますし、実際にある程度の時間と努力を必要とします。

なので、毎日でもかじりついてでもやる時間を取らないと英語はできるようになりません。それが悲しいところですよね。ただ大体の人はやり方を間違えているので、いくら時間をかけても場当たり的な表現を覚えるばかりで、みたことのない文の構造をどうやったら見抜けるのかと言った本当に大事なことは考えもしません。丁寧にやりましょう。

ここから入試レベルに届かせようと思うと次の2冊も入れてください。ここまでが「超基本」だと思ってください。それぞれの本に出てくる例文を使って、学んだことが説明できるようになっていなければ、やった意味がありません。

数学

高校数学に関しては、この1冊が基礎固めには最適でしょう。500ページぐらいあるので息を飲むと思うのですが、下手にいろいろな問題集をやるよりは、この本の前書きにある手順通りに(かつ、自分に嘘をつかずに)やってもらえれば(学生は前書きなんか読みやしない)、受験で必要なレベルまで確実に向上しますから、なんとか取り返したいと思っている学生にはこれをやってもらうのがいいと思います。

基礎固めに焦りは禁物

第1段階がある程度進んだタイミングで、第2段階を同時並行 で進めるのがポイントです。ドリームラーナーズでは、第1段階として基礎固めに役立つ  問題集を1冊仕上げたタイミングで、第2段階を導入していきます

第1段階にあたる基礎固めのプロセスに、残り時間の少なさに焦る親御さんはもどかしさを感じるかもしれません。ただ、基礎固めの問題集を1冊終わらせるくらいの手順はふまないと、第2段階の効果は薄いというのがドリームラーナーズの経験則です。

また、基礎固めに固執してしまうのも考え物です。第2段階で、実際に問題を解いてみることで、基礎固めの甘いところを浮き彫りにしていったほうが、基礎固めを効率的に進められます。実際の問題を解く中で基礎固めの水準を高めていくことが、勉強スタイルの理想型の一 つです。

アウトプットの改善で自宅学習の質が向上する理由

問題の意図を見抜いて適切な解答を導き出すことは、言い換えれば問題文に基づいて思考の範囲を限定すること。過去(にやった、みたことあるかもしれない問題)を思い出すことはアウトプットではありません。そのため、2段階を経てアウトプットの質を改善すると、自宅学習の質が向上します。問題を解くために、無限 の範囲で思考するという非効率的な時間が減るからです。試験で時間が足りずに悔しい思いをすることも減るでしょう。

ただ、アウトプットの質を高める2段階のうち、第2段階よりも第1段階のほうが奥深いとドリームラーナーズは考えています。東大 ・京大 など、受験の最高峰を目標とする場合、第1段階にあたる基礎固めの中で「抽象化」と 呼ばれる作業を行い、学力の水準をさらに高める必要があるからです。抽象化を端的に説明すると、「習得した知識を、目的に応じて関連付けしたり分類したりする」という作業です。こうすることで、一見違う見た目のものでも、共通したものに「気づく」ことができます。もちろん練習は必要です。抽象化の能力は、学力の根本に関わることなので別の機会で詳しくご説明します。

何も目的を考えない練習は無意味です

今回は、ひたすら問題を解く勉強は非効率的なので、アウトプットの質を高めることの必要性について解説しました。ようやく勉強するようになった子供に、親御さんがあれやこれやとお節介を焼くのは気が引けるという場合 、ドリームラーナーズにご相談ください。子供の特性や目標に適したペースで、アウトプットの質を高めるお手伝いをいたします。

ブログ最新記事