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英単語の暗記法(自称中級者編)

そもそも英単語をあまり覚えてない人は入門編から

伸びない人は、できてない部分に向き合おうとしない

英単語暗記における自称中級者とは、

  • 単語はある程度覚えてきて、読む段階・解く段階でもある程度思い出せる
  • しかし、難易度が上がると派生語や、多義語や語法の選択がうまくいかない

こうした悩みを抱える段階が自称中級者です。英語にはある程度自信があるのに、センター試験で8割を超えない、進研記述模試などで偏差値が65を突破しない、というスランプ気味の人たちがここに該当するでしょう。

こう説明するとわかるでしょうが、受験生(特に現役生)の大半は、まず読む段階で単語が思い出せない人がほとんどなわけですから、受験直前期になっても、初心者レベルです。

初心者向けで紹介した、最後の締め(速読英単語・英熟語による、読解スピード=単語を思い出すスピードの向上)を徹底してください。

そうした人は、単語帳のレベルは上げる必要ないですが、この本編の話は暗記の要領を向上させる可能性があるので、読んでおくことをお勧めします。

共通項:自分は英語ができると思い込んでいる

英語は母国語である日本語に対する、異国語、他言語です。どういうわけか小さい頃から英語を勉強している人に限って、英語が自分は得意だ、という意識を持ちがちです。そういう生徒は、高校レベルより上になると途端に失速するのを目の当たりにしますが、意識は変えられません。

人より多少早く勉強したところで、そもそも母国語でも論理的思考ができない人が、より論理的(この場合の論理的=目の前にある文章を字義通り、並べてある意図通りに読む)思考を要求される英語ができるわけがない、というのが悲しいところです。

このレベルに止まるほとんどの生徒は、自分が英語ができると思っていて、しかもその勉強のやり方に自信すら持っているという特徴があります。

それをいったん全部捨てることが、自称中級者を脱出するポイントです。

深い暗記=単語同士の繋がりを強化する

暗記の初期の段階では、単語と意味だけの連想で事足りることが多く、英文法や語法の勉強で時々使い方を意識するだけでした。

一方で、中級者以降で語彙を増やしていく際には、以下の内容を意識して覚えていきます。

  1. 元々覚えている英単語の語形変化
  2. 同じ語源の英単語同士をまとめる
  3. 同じ語法を持つ英単語同士でまとめる

学んだ内容、覚えた知識を活用して、一気に増強させていくことを狙っていくことが、中級者を脱するために必要な要領の良さです。要領の良い暗記に慣れていきましょう。

後半では、単語同士をつなげて覚えたり、単語そのものの意味や使い方を区別し有機的に繋ぐ練習法のアイデアを紹介していきます。

知らない単語の推測法を学び練習する

また、文法や語法の知識から、知らない英単語、思い出せない英単語を、長文の中で出会ったときに意味を推測する練習を重ねましょう。私が実際に英語長文問題を解く際に意識していることは以下です。

  1. 見たことがない単語が出てきたとき、文中の位置で品詞を判断しながら、知ってる単語の語尾の活用ではないか、であるならばその語幹は何なのか、元々知っているものではないか、と推測する。
  2. 動詞や準動詞なら、その後ろの形、文型や語法で意味を判断する。逆に、動詞の語法を活用して、何に対しての説明なのか、何を用いて説明しているのかを考えて、動詞の前後の単語も意味を推定する。
  3. 英語長文では、テーマに関連する単語が現れることが多い。また、長文中での論理展開に応じて不明単語を推定する。

このように、英文法・英文解釈の知識・そもそも長文の内容を読み取る際に考えるべきことは単語の意味推定に役に立ちます。速読英単語の上級編では長文読解における、知らない英単語の推測法を具体的に紹介しているので、難関大を目指す人はなるべく取り組んでほしい多読の本です。

暗記強化の練習のアイデア

知識同士をつなげて覚える

単語帳には、主要な意味(多くの場合、太字で書かれているもの)以外にも、「2つ目以降の意味」「例文」「派生語」などとたくさんあります。知っている単語が増えてきたら、これらも一緒に覚えていきます。

ただし、長文で出会った時に、どの意味かを判別する際に、複数ある意味を一個一個当てはめていくわけにはいきませんし、そんなことはしません。また、同じ訳で覚えている単語でも、文章中で使い方を知らなければ、意味が取れない時もあります。

これは、単語帳の中でも、なるべく詳しい単語帳を用いればすぐにでも覚えていけるでしょう。オススメの単語帳は、標準レベルの英単語が網羅されている必携英単語LEAPです。

「同じような意味だけどここが違う」でまとめる

日本語訳では似たような意味の単語は、実際には使い方(動詞なら後ろの形、名詞なら指すものが違う)が異なることがほとんどです。

そうしたものを、「訳」だけで覚えようとしていれば、英語と日本語の本質的な違いが分からずに、読解やリスニングなどで行き詰まってしまいます。

例えば、動詞の語法問題で頻出である、look, see, watch、あるいはtalk, say, tell, speakの違いは何か。「確信している・確かな」と言う訳で覚えているはずの certain, sureがその意味や使い方がどう違うか。高校基礎レベルの英単語でも、この違いに即答できない人はとても多いです。

これは、英文法の総合問題集では「語法」や「語彙」としてまとめられている部分であったりします。単語帳だけでなく、こうした問題集の語法・語彙のパートも単語帳の延長として取り組んだ方が良いでしょう。(なぜか文法のところだけやりがち…)

接頭語・接尾語・語幹の由来を覚えて意味を見抜く

また、英単語には「接頭語」や「接尾語」などの形が決まったパーツがあり、それで意味や品詞が決まります。

基本的なものだけでも覚えておくと、語幹(パーツがついている本体)の単語を頼りに意味を推測することができます。単語帳によってはコラム内でこういった知識を整理してくれている単語帳もあります。

使用頻度の高い基本単語のコアイメージを掴む

例えば、goという動詞は「行く」と覚えていますが、いろんな意味グループがあります。全部羅列すると「その場から遠ざかる」「起こる」「特定の状態になる」「進展する」「到達する」「位置する」「一致する」「移動する」「なくなる」です。これを、中心部から出ていく矢印のイメージで表して覚えます。

こうしたイメージと共に、熟語として覚えさせられるものもまとめて覚えていきましょう。「単語と意味のセット」として覚えるだけでなく、いろんな方向から問われても意味がわかるようにしていきます。

最近の単語帳では、この辺りの基礎単語の整理をやっているものも増えています。一方で、語源を専門とした単語帳もありますので、既に持っている何かしらの単語帳があるのであれば、語源特化型の単語帳があると被らずに済むでしょう。

語呂で覚える(侮ってはいけない)

ゴロで覚えるのは邪道だ、とか意味がない、とか息巻いてる先生がいます。確かに、ゴロだけ覚えるのは意味がないです。

ただ、ゴロの役割は別にゴロ自体を暗記することにとどまりません。語呂で覚えるための文章それ自体に、暗記に有用な意味があったり、語呂の文章からイメージされる映像などからさらなる情報が引き出せます。

そのため、ゴロはゴロでも、以下のような特徴を持つゴロを覚えていくのが良いです。

  1. 語呂の文章自体に強烈なイメージを持ちやすいもの。具体的にはエログロナンセンスなどの非日常の強烈なイメージが想起されるもの。
  2. 発音やアクセントがカタカナであってもある程度正しく記述されているもの。音が合ってなければそこまで有用ではない。
  3. ゴロから想起されるイメージから、単語の使われ方や語法までイメージさせやすく解説されているもの。

これら全てを満たしているものの1つが、イメタンです。優れたゴロとは、ただ単に単語と意味だけを暗記するようなゴロではありません。作者が直接説明している講義音声もあり、それをテキストと合わせて聞くだけで単語の定着がずいぶん違います。

ゴロが苦手、と言う場合でも、単語の機械的な暗記に限界を感じている場合には、一時的にでも語呂での暗記法を取り入れて、単語にどのようなイメージを持ちながら覚えていけば良いかの指南役としても活用できます。

思い出さなきゃいけない難易度を上げる

単語を読んで思い出す/聞いて思い出す/発音・アクセントが正しく言える/綴りが書ける/など、思い出せなきゃいけない難易度を上げていくのも良いでしょう。ただこの場合は例文暗記など、英作文や他の分野の勉強と絡めてやるのが効率が良いです。

前述したとおり、以下の速読英単語上級編は、長文中における単語意味推測法を説明していますのでオススメです。難単語ほど、出現頻度は低いです。そのため、難単語ほど、音読、シャドーイングなどを通じて意味を把握して、思い出すためのチャンネルを広げていってください。

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