進路選択や学習方法の指導が専門の塾・ドリームラーナーズです。鳥取県倉吉市にある教室を拠点として、リモートツールを使って県内外の生徒を指導しています。
受験事情は都会より地方のほうが不利と言われています。教育水準や情報格差など、複数の理由が絡み合っている問題です。個人では解決できない側面が多いものの、情報格差から生じる地方の受験生特有の慢心は、本人の工夫次第で抑えることができます。
情報格差から生じる慢心を防ぐ効果が期待されているのが全国模試ですが、数字の意味を正しく読み取れなければ逆効果です。特に、高校1年生が受ける模試は、偏差値が高めに出る傾向があるので注意してください。
地方の受験生は慢心が生まれやすい環境に自分が置かれていることを自覚しましょう。そのうえで、学習の行動習慣を改善していくことが大事です。
学習の行動習慣が難関校合格に繋がった事例として私が紹介したいのが、鳥取大学医学部医学科に2020年の入試で合格した女子生徒のCさんです。中3から高3までの4年間にわたってドリームラーナーズを利用してくれました。私が注力した指導の一つがが行動習慣の改善でした。
今回は、ドリームラーナーズがCさんにアドバイスした内容をもとにして難関校合格に必要な行動習慣を解説します。
① 授業時間の有効活用
授業のペースはクラス全体に合わせて調整されており、学力の高い生徒は物足りなさを感じがちです。もし授業のペースが自分にとって「遅い」と感じる人は、授業中に自分が必要な学習を進めていきましょう。
授業時間の有効活用についてCさんは次のように語っています。
授業中の工夫は大切だったと思います。教科や先生にもよると思いますが、授業中にすごく暇だったり自分で進めたほうが早い場合があります。そうしたときは教科書の先の内容を進め、課題や参考書を用意して問題演習をしました。授業中のボーッとする時間を学習時間に使えるので、かなり学力アップにつながったと思います。
(合格体験記より)
高校生の生活において最も滞在時間が長い場所が学校です。放課後の過ごし方を改善するよりも、学校にいる時間を改善したほうが学力向上におけるインパクトが大きいというわけです。
授業時間のほか、休憩時間を活用して少しでも課題を進めておくと自宅学習の質を高めることができます。志望校合格に必要な勉強に使う時間は、自分で積極的に見つけていきましょう。
ちなみにCさんは時間の使い方がとても上手い生徒でした。合格体験記では工夫の一端が語られています。隙間時間の活用をイメージできない人は参考にしてみてください。
通学時間(私は汽車通学でしたので)やお風呂、髪を乾かす時間に英単語を覚えることや、朝の身支度の間にリスニングを流すこと、授業中に問題演習をすることなどです。
(合格体験記より)
② 教科書の先取り
難関校合格を目指す人は、高校3年間の教科書の内容は一刻も早く終わらせる意識を持ってほしいと思っています。教科書の内容を早く終わらせるほど、志望校対策に使う時間が増えるからです。
例えば、Cさんは入学前から教科書の内容の学習を進めてもらっていました。高校1年の1学期だけで、その年の学習内容を一通り済ませることはそれほど難しくありません。自分で学習を加速させていく意識がないと難関校合格は高すぎる目標かもしれません。
ただ、国語・理科・社会は先取り学習の優先度は高くありません。国語は先取りの効果が薄く、理科・社会は情報量が多いため日々の復習のほうが大事です。
教科書の内容の先取りでは、次に挙げるような参考書や問題集が役立つと思います。コンパクトにまとまっており、学習内容の全体像をつかむことができます。
●数学
- 出版社 : 旺文社; 五訂版
- 発売日 : 2020/2/20
- 単行本: 300ページ
- 出版社 : 旺文社; 改訂増補版
- 発売日 : 2019/2/25
- 単行本 : 296ページ
●英語
- 出版社 : ナガセ
- 発売日 : 2009/9/17
- 単行本 : 264ページ
- 出版社 : 旺文社; 4訂版
- 発売日 : 2019/7/22
- 単行本 : 176ページ
③ムダな学習をしない
難関校の受験は、超進学校を含む全国の優秀なライバルとの競争です。「みんなやっているから」と、学習方法をなんとなく決めていては出遅れます。「本当に必要か?もっと良い方法はないか?」と効率を追求して他人に先んじる意識を持ちましょう。
例えば、英語の学習で辞書は必須ではありません。英作文を練習するステップでは辞書は必要ですが、高校1年生の段階では時間がもったいないと思います。学習方法の指導はそれぞれの適性に会わせるという前提がありますが、Cさんには辞書の代わりに単語帳を使用してもらいました。
ムダな学習方法の省略は、難関校合格に必要な行動習慣です。数学の勉強で言えば、計算練習で勉強した気分になってはいけません。「その計算は、そもそも必要だったか?」と考えて、少しでもスマートな解法を心がけましょう。
フォーカスすべきは充実感ではなく、学習効果です。
●辞書代わりに使ってもらった単語帳
- 出版社 : KADOKAWA
- 発売日 : 2009/8/9
- 単行本 : 688ページ
行動習慣による学習でモチベーションのブレを減らす
難関校合格に必要な行動習慣を説明しました。モチベーションのブレを減らし、質の高い学習時間を守るうえで習慣が役立ちます。
実際、Cさんは、平日は約3時間、休日は約6時間の学習時間を確保することに成功しました。高校3年生になると、さらに学習時間を確保して平日は約5時間、休日は約8時間と実力を高めていったわけです。
習慣を定着させるうえでライバルを肌身で感じる経験が有効です。費用はかかってしまいますが、Cさんには県外の予備校の講習に参加することを推奨しました。質の高い教育環境にいる超進学校の面々を見たことがCさんにとって良い刺激になったようです。
費用の問題で県外の講習に行くのが難しければ、地元の予備校を見学するだけでもしたほうが良いと思います。自分のライバルがどれほど真剣な目をして勉強しているのか肌身で感じる機会を持ちましょう。慢心が生じにくくなるはずです。
Cさんは、ひたむきに勉強を続けてくれましたが、ドリームラーナーズは相談者としてお役に立つことができたようです。合格体験記で次のように語ってくれています。
3年間を通して自分がやるべきことを的確に示してくれる相談相手がいることはとても心強かったですし、志望校を決める際にはセンター得点に合わせて様々な大学を紹介してくださったので選択肢が広がりました。
後から振り返ってみると、提案された学習プランはすべて入試に向けた戦略だったように思います。無駄なことは何もなくて「あの時にあの参考書をしておいてよかった」と思えるものばかりです。これから大学受験を迎える皆さんには、ぜひ今の自分の学習にはどういう意義があって、そこで自分はどういう力をつけるべきかを考えながら学習してほしいと思っています。
(合格体験記より)
ライバルが見えにくく自らの成長に自信を持てない状況では迷いが生じがちです。この点は勉強ができる生徒でも同じです。迷ってしまって新しい方法をどんどん試していると、行動習慣はなかなか定着しません。
難関校合格に必要な行動習慣を効率良く身にけるため、コーチングサービスを相談相手に活用することは一手かもしれません。ドリームラーナーズは初回相談が無料です。候補の一つとしてご検討ください。