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理科基礎科目の学習法(2024年更新版)

理科基礎科目4つの紹介を一度にやっていきます。科目ごとの特徴の説明だけでなく、それぞれの科目はどのような人が選んだら良いか、といったことも説明していきます。

大前提

専門理科をやる人も、必ず通る道

試験範囲をよく見てもらうと書いてあるんですが、例えば二次試験の科目名は「化学基礎・化学」なので、「化学」を二次試験で使う場合には化学基礎もしっかりやっておく必要があるんです。ここは案外忘れている、というか気にしてない人も多いので、受験勉強する際には注意してください。

専門まで扱う場合には、そちらの学習法を参考にしてください。ここでは理科基礎「まで」しか必要ではない人のための学習法を紹介しています。

私立文系だと、医療系or栄養系で使う

国公立文系、国公立理系の一部以外には、センター試験利用入試ぐらいでしか見ないのですが、一般入試では医療系や栄養系の大学で活用されている場合があります。

ただ、私大の医療系栄養系の理科基礎は科目が制限されている場合が多いので注意してください。特に、化学基礎・生物基礎が必須になっている場合が多いです。

範囲が狭いが、侮ってる人は伸びない

理科基礎は科目ごとに特徴が大きく異なり、専門理科を中心とする理系の人からもらうアドバイスが全く役に立たない場合があります。

範囲が狭いと言っても、生物基礎のようにかなり広大な範囲を扱う場合もあります。物理基礎のように、物理の専門科目と比べる扱う範囲がかなり少なく、かなり自学がしやすい科目もあります。イメージだけではなく、自分でも参考書や問題集、過去問を確認しながら、科目選択をしてください。

以下では、科目ごとの特徴を列挙しながら、結論として、こういう受験をしたいならこの選択がおすすめだよ、という話もしていきます。

各科目の特徴とその対策

アウトプット用の教材・過去問は共通

ノートタイプの問題集がおすすめ

理由は、まとめノートと問題集を兼ねており、ここに情報を集約すれば1冊で勉強が進められます。もちろん資料集などは用意して欲しいですが、教材を少なくして完璧に取り組む(全問題に瞬時に解答できる)ことは受験での得点力を上げるためには必要なことです。問題まで一貫して掲載してあるため、リードlightノートシリーズがおすすめです。

共通テスト対策が、他大学対策にもつながる

理科基礎については、大学が単独で問題を出すことがほとんどありません。理科の専門科目のついでに入っていることが大半であり、単独問題を出すのは一部の私立大学が多いです。

このため、いわゆる入試問題を探してきても、もっとも多く出てくるのは共通テスト(旧センター試験)の問題です。そのため、リードLightノートでインプット&アウトプットの基礎固めが終わったら、共通テストの予想問題集やセンター試験の過去問題集を活用して、得点力を高める練習をしてください。理科基礎科目は30分で15〜20問程度あり、時間内に解き切ろうと思うと、単に覚えているだけでは間に合いません。共通テスト形式と時間で満点近く取れるようになるまで、練習あるのみです。

生物基礎

範囲は実質無限大だが…頻出を抑えれば負けない

生物多様性に関する単元があるため、範囲は実質無限大です。ですが、頻出であるものを抑えていけば、合格点に達することはそこまで難しくないです。このため、暗記ならまだやれるかも、と思う人に取っては一番真っ先に候補に上がるのが生物基礎です。

計算問題もありますが、化学ほど多くはなく、覚えなくてはいけないことのほとんどが「具体的なこと」なので、イメージもつきやすく、物理基礎(目に見えない力や電磁気を扱う)や化学基礎(分子・原子・モルってなんぞ?)と比べると覚えやすいのです。

用語や現象を説明可能にするのは生物と同じ

しかしながら、用語だけを覚えても点数にはなりません。地理歴史などと同じく、用語1つ1つを定義通りに説明していく必要があります。この手間を惜しむと、なかなか点数につながらず焦ってきます。分量は多いですが、丁寧に学習してください。

早めに、出やすい範囲を掴む(入試用参考書を早期に手に入れて授業と並行して進める)

こうした特徴があるため、覚えれば良いのはそうなのですが、学校では1年生の頃で講義が終わってしまう(終わったことにする)ため、その後の3年生になってからの演習ではろくな説明がないまま受験を迎えてしまう、というのがよくあるパターンのようです。

1年生のうちから、受験用参考書を必携として、どのようにまとめて覚えれば良いのか、道標をきちんと持っておきましょう。もちろん図録も使ってイメージも活用して暗記しましょう。

地学基礎

やることが少ない

理科基礎科目の中ではもっともやることが少なく、受験のことだけを考えると、独学した方が早い科目です。週1でももったいないぐらいで、やろうと思ったら20時間ぐらいで受験の全範囲を網羅できます。

その後、ノート系の問題集で暗記と演習を繰り返せばOKです。

テキストが少ない

ただし、地学基礎はテキストがかなり少ないです。センター用の地学基礎のテキストを使うのが手っ取り早いでしょう。資料集も活用してください。

専門の先生が少ない

また、地学は専門の先生が少なく、学校によっては配置されていないこともあるでしょう。こうした勉強しづらさを抱える科目ではあります。

幸いにも地学の講義は、スタディサプリや学びエイドで手軽に受けられるので、テキストだけだと心配な場合には、そうしたコンテンツも活用するのをおすすめします。

これは蛇足ですが、もし、君が理系に進もうと検討している場合には、専門の地学はとても得点がしやすい科目でもあります。地学基礎をやっておけば、進路が広がる可能性が高まるかもしれません。

物理基礎

物理基礎までなら、実は独学でも余裕

物理基礎は、基礎科目の中でもっとも、覚えなくてはいけない知識の分量が少ないです。

しかし、物理基礎では、数学と同じように、抽象的で目に見えないものを考えていく必要があります。現実には実感しづらい、力の矢印だとか、電気・磁気・波動と言ったよくわからない、見えないものを扱っていきます。

しかし、覚える知識自体が少ないのと、問われ方もそこまでバリエーションがないため、しっかりとテキストや講座を使って説明をきちんと理解していくことができれば、かなり得点しやすい科目です。

最近の資料集は、実験の映像が特典として見れるものもあるため、そうしたコンテンツも活用しながら、理解してイメージで覚えていってください。おすすめのテキストは以下の2冊です。

生物基礎に手間取るなら乗り換えも検討に入れよう

もしあなたが数学のように抽象的で目に見えない思考にそこまで抵抗感がないのであれば、物理基礎がもっと手間をかけずに対策できる科目です。

生物基礎は覚えることがたくさんで息が詰まりそうだ、と思うのなら、物理基礎への乗り換えも検討に入れましょう。

理系から文転した人にもおすすめの科目です。

化学基礎

看護・栄養系だと必須な場合もある

文系の生徒がいく可能性がある、看護・栄養系の学部だと、国公立でも私立でも必須にしている場合が多く、その場合には化学基礎を必ずやらなくてはいけない、というのが悩ましい科目です。このため、この2つの学部を志望する場合には、早期に学習を始めた方が良いでしょう。

「化学」と比べたら簡単だが…

科目の特徴として、

  • 物理のような「イメージしづらさ」がある(分子・原子・モルなど)
  • 計算問題もそれなりに出題される(生物基礎より多い)
  • 覚えなくてはいけないこともそこそこ多い

が挙げられ、4つの基礎科目の中でももっとも手間がかかります。

このように、やることのバリエーションや、物理のような捉えづらさがあるため、基礎科目の中では難易度の高い方です。

そのため、受験で必須であるとするならば、なるべく早期に固めてしまうのが良いでしょう。捉え方が難しい場合には授業が有効です。スタディサプリの化学基礎講座なら60分×8コマで全範囲を終えることができます。これを活用するのをおすすめします。

テキストでやりたい場合には、東進の鎌田先生の本をおすすめします。

また、どうしてもイメージの捉え方がうまくないという場合には、「とってもやさしい化学基礎」をまずやってから、講義本に入ってください。

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