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理系科目の苦手克服は言葉の理解から!問題文の正しい読解とは?

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浪人をきっかけに理系科目の勉強を始めたものの、学習成果が思うように向上しない人は少なくありません。この問題の本質には、文系科目は具体的に考えて解ける一方で、理系科目は抽象的に考えないと解けないという違いがあると考えています。

文系の思考:1789年、ナポレオンらがバスティーユ牢獄を襲撃したことをきっかけとしてフランス革命が始まった。

理系の思考:微分とは、関数の各切片の傾きを導きだすこと。

上記は具体的思考と抽象的思考の比較例です。文系の例は、「いつ・どこで・だれが・なにをして・どうなった」という日常で使う具体的思考です。一方、理系の例は「関数・切片・傾き」といった手で触れることができない「概念」を使います。これが、いわゆる抽象的思考です。 

この違いがあるため、新たに理系科目の勉強を始めるときの困難が生じるのだと思います。理系科目に苦手意識を持っているなら、まずは抽象的思考を習慣づける訓練が必要です。

抽象的思考の基礎は、使われている言葉の正しい意味を知ること。概念は、定義の通りに理解する必要があります。フィーリングで理解するとコミュニケーションが成立しません。物理や数学に苦手意識を持っている人は、問題文に出てくる言葉の意味をきちんと押さえることが突破口になります。

問題文の読解を練習しよう!数学の場合

言葉の意味をきちんと押さえるといっても苦手意識を持つ人はピンと来ないかもしれません。そこで、苦手意識を持つ人が少なくない数学を例に出して説明していきます(2020年度・センター試験、数学ⅠAから引用)。

(1)の問題では、まず「傾き」という言葉に注目してください。「傾き」とは、xの係数で決まることを理解していれば、

という不等式を解く必要があると分かります。つまり、この問題は「傾き」という言葉の理解を解答者に求めています。

文系科目は、言葉一つ一つの意味をなんとなく読み飛ばしても解答パターンに従ってゲームのように穴埋めしていけば解けてしまうことがあります。一方で理系科目の場合、問題文の言葉を理解していないと解答が困難です。

言葉の理解の大切さを知ってもらうため、(2)の問題にも少し触れます。(2)は「x軸とはy=0の直線」と知っていれば、問題(1)の式の左辺を0として、bについて解けば解答できることを見抜けます。

言葉の意味は解説に書いてありますが、試験では自分一人の力で問題文を読解しなくてはなりません。そのため分からなかった問題の解説を見て納得した後、問題文を正しく読解できるかどうか検証しないと学習効果が薄れてしまうので要注意です。

問題文の読解力向上が全科目を底上げする

言葉の意味を押さえられた手応えを感じたら次のステップに進みましょう。下記の方法による”問題文の翻訳”を習慣づけることは、数学を始めとする理系科目の苦手克服に役立つのでオススメです。なんとなく問題文を読むだけなく、一手間加えることが丁寧な読解に繋がるということです。

  1. 式で表す
  2. 図表で表す
  3. 他の言葉で表す

そもそも高校までの勉強科目は、学問の共通言語を習得する訓練。言葉を軽視して問題文をきちんと読まず、ゲームの攻略法のようにパターンで解答しているようでは入学後が思いやられます。

特に、本年度からセンター試験は共通テストに移行することが予定されています。共通テストは、センター試験のとき以上に単純なパターンマッチングで解答できる問題が少なくなっていくようです。今後、 全生徒にとって丁寧な問題文の読解が必須の素養となってくるでしょう。 

理系科目の苦手克服を目指すなら、問題文の言葉を一つ一つ理解することから始めてみてください。言葉を理解することは、問題文を読み解くための前提条件です。言葉を大切にして問題文と向き合う姿勢は、全科目共通で解答精度を高めます。問題文の読解を磨けば、非常に効率の良い学習スタイルが身につくことを知ってほしいと思います。

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