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学習の量が結果に繋がってない人は取り組み方を見直して!学習効率を改善させる技法「抽象化」について

学習法と進路の指導で学力向上をサポートしています。学習コーチングサービスのドリームラーナーズです。鳥取県倉吉市の教室や、オンラインツールを活用したリモート指導にも対応しています。 

2020年も終わりに差し掛かりました。学習の成果を実感している生徒もいれば、思うように学力が伸びず焦っている生徒もいるでしょう。今回は、たくさんの問題演習に取り組んだのに結果に繋がらない問題の根本にある「抽象化」という技法を解説します。

問題演習の量をこなしてきた自信がある一方で、模試の成績はまだまだ目標未達成という人は、いわゆる「一問一等式スタイル」で問題に取り組んでいるのかもしれません。もう少し噛み砕くと私が問題視しているのは「この問題は、この解法」というように問題と解法をジグソーパズルのように当てはめていく思考を伴わない問題の解き方です。

「一問一答式スタイル」は、定期テストではそこそこの得点を挙げることができますが、模試および本番では通用しません。なぜなら、定期テストはイレギュラーな設問が少ないのに対して、模試および本番の問題はそもそも要求自体を読解する必要あるからです。これは、出題者が問題や学習内容の真意を理解することなく正答できないように工夫しているため。授業で練習した内容をチェックすることが目的にある定期テストとはワケが違うということです。

一問一答式スタイルを脱けだして模試や本番で通用する学力を鍛えるためには、前回説明した抽象的思考の応用である「抽象化」という技法に目覚めることが効果的です。簡単に説明すると抽象化は、いくつかの物事の共通点や法則性を見抜いて一言にまとめること。

例えば「鳥取県の特産果物はナシ・スイカ・ブドウ」と覚えるのは一問一答式ですが、ナシ・スイカ・ブドウを「高温にならず雨量が少ない地域に適した果物」と一言にまとめるのが抽象化です。

このようにインプットを抽象化すれば、記憶の出し入れがスムーズになることで思考に深みが生まれ、捻った問で構成された試験に対応できるようになるわけです。また、抽象化の技法に磨きをかけると、問題文の長々とした説明が何の概念を指しているのか閃くことができるようになります。

抽象化の習得は手間がかかりますが、学習というインプットの質を高めると同時に、試験というアウトプットの質を高められる非常に効率の良い訓練なのです。

抽象化を練習しよう!

抽象化の練習方法を、そもそも抽象的思考が鍵である数学を素材として説明します。

インプットについて

問題を解く時に公式を覚えて使いこなすことに苦労している人が少なくないのではないでしょうか。筆写したり、音読したり、素朴に丸暗記するのも悪くはないのですが、本番の試験では公式を利用するのに時間がかかってしまう恐れがあります。

そこで、抽象化を公式の習得に活用してみましょう。公式を抽象化して習得する場合、構造化して整理すると定着がスムーズです。例えば「順列(P)」と「組み合わせ(C)」の計算方法を構造化して整理すると下記のようになります。

※階乗……「5! = 5×4×3×2×1」という風に、その数字以下の自然数を全て掛け合わせた数

概念を構造化して覚えると解説文を丸暗記するより効率的ですし、公式の記号を脳裏に刻むという曲芸をしなくても済むわけです。数学の概念は、それぞれが関連しており、PとCのような類似概念が多数あります。そのため、類似概念を構造化すると2〜3ステップに分けて思い出せるので、思考の負荷を減らすことができます。

アウトプットについて

数学の学習で『チャート式』や「Focus Gold」を黙々と大量に解いてきたけど結果に繋がっていない方にはぜひ試してみてほしい練習方法を紹介します。

問題の要求と解法を自分の頭で一言にまとめた後、類題に適用すると「学習によって問題を解ける状態になったかどうか?」をチェックすることができます。もし、類題の解答が上手にできない場合、問題と解法のいずれかの抽象化が適切でない=分かってないといいうことです。 

ただ、類題を適切に選択できていない場合もあります。そこで便利なのがチャート式です。チャート式は問題の型を、例題と類題のセットで1ページにまとめた構成です。例題の要求と解法を抽象化してから、それを利用して類題を解けるかどうかをチェックするという流れを実践しみてください。

また、チャート式には問題の要求と解法が「CHART & SOLUTION」というセクションで抽象化されています。これを読んで理解するのも最初は良いのですが、丸暗記すると抽象化の力が身につきません。自分の抽象化の適切さの確認として「CHART&SOLUTION」を使うのが実力を磨くためには良いと思います。

学習の“質”を高めても“量”は減らさないで

今回、抽象化の練習方法をご紹介しました。ただ、学習の取り組み方を工夫するからといって、“量”を急減させないようにしてください。ちょっとの勉強でラクをできるような甘い話はありません。そもそも、デキる生徒たちは既に学習の質と量を両立させられているのです。スタート地点に立ったという気持ちで頑張りましょう!大丈夫、受験は長距離走なので挽回できます。 

慣れた思考法を変化させることは疲れるのが普通です。試験などの学習成果の確認機会をモチベーションに火を点ける栄養ドリンクに活用するのは一手だと思います。とはいえ、試験はそうそう頻繁にあるものではありませんし、自分の学習内容にピッタリはまる確認ができるとも限りません。

ドリームラーナーズでは、マメに確認テストを実施しているほか、学習の理解度を確認するコミュニケーションをとっています。努力の継続に、コーチングサービスのご利用を検討してもらえると幸いです。

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