寄稿:Longtail
(鳥取県倉吉市の授業をしない塾・ドリームラーナーズ代表の石原さんより依頼を受け寄稿)
楽しかった夏休みも残すところ1週間ほどとなってしまいましたね。
小学生のみんなは自由研究に苦しんでいるところかもしれません。
楽しみというのは、残り少しになるほど、楽しくなってくるもの。
ちょっとでも早くに自由研究を終わらせて、思いっきり遊びたいはず。
そこで1日もあれば終わらせてしまえる自由研究方法を紹介します。
それが「アポ無し社会科見学」です。
高速で自由研究を終わらせられるだけでなく、先生にも褒められるユニークな内容に仕上げることもできるお得な方法です。
1.「アポ無し」とはなにか?
大人ならともかく小学生だと「アポ無し」の意味がわからないと思うので解説します。
「アポ」とは、「アポイントメント」の略称で、「会う約束」くらいに理解してください。
みなさんも友達と遊ぶ前に約束をすると思います。
アレのことです。
意識せずに「アポ」をしていると思いますが、大人にとって「アポ」はとても重要。
次のような理由があります。
①時間の使い方の計画を立てられる。(ほかにもたくさんの予定がある)
②会うべきかどうかを決められる。(会いたくない人には会わない)
③会う前に頭の整理ができる。(会う時間が無駄な時間にならない)
これらの理由についての解説は割愛します。
要するに、「アポ無し」とは「いきなり会って話すこと」なのです。
2.「アポ無し社会科見学」の内容
「アポ無し社会科見学」の内容は、次のような内容です。
・「アポ無し社会科見学」の目的について
・「アポ無し」で話を聞くための工夫について
・「聞いた内容」のまとめ
・「聞いた内容」の考察
それではそれぞれを順番に見ていきましょう。
「アポ無し社会科見学」の目的について
自由研究では「目的」が大切です。目的が無いから「楽をしたいから、適当にやりました」ということが見え透いてしまいます。「わたしが知りたいことを知るために、考えてやりました」という説明ができるようにしなくてはいけません。
アポ無し社会科見学を行う場合の「目的」は次のようなものです。
「私は将来の夢として●●に興味があります。だから実際に●●に関わって働いている人の話を聞いてみたいと思いました。しかし、私の周りには●●に関わって働いている人がいません。連絡先もわかりません。そこで街中で●●に関係ある仕事をしている人を探し、話を聞いてみることにしました」
本当は、「目的」をしっかり考えてほしいところなのですが、小学生のみなさんにとって「目的」を考えるというのは難しいと思います。ここに悩むよりは、まず行動してから考えてほしいと思います。
「アポ無し」で話を聞くための工夫について
いきなり知らない子供に話しかけられた大人はビックリするものだと思ってください。当然、先生やお父さんお母さんも、そのことで他人に迷惑をかけないかドキドキします。そのため、せっかく良い内容に仕上がっても、「この子は迷惑をかけたのでは?」と大人を不安にさせてしまえば、褒められることはありません。
事前に「迷惑をかけない」ために考えたことを説明すれば、大人は安心して、素晴らしい内容に「素晴らしい」と言えるわけなのです。
「聞いた内容」のまとめについて
事前に質問事項をつくっていきましょう。紙に書いておくのがいいと思います。そうすれば、そのときに時間がなくても、紙を相手に渡して、後で答えてもらうこともできます。
「聞いた内容」のまとめは、シンプルにありのままを整理していけばよいと思います。
「聞いた内容」の考察
「聞いた内容」を並べただけでは、ただのインタビュー記事です。聞いたことで何がわかったのか、みなさんなりの考えを述べましょう。
難しいと思いますし、恥ずかしいと感じるかもしれません。でも、ここが一番大切なところ。お父さんお母さんに一度話を聞いてもらって、整理してみるとすらすら書けると思います。
「アポ無し」で突破する力
今回は、インターネット時代に、自由研究という不毛な宿題をさっさと終わらせて、小学生のみんなに楽しく遊んでもらうために「アポ無し社会科見学」という方法を伝授しました。
「アポ無し」という経験を、子供のうちにしておくことは、大人になってからも役に立ちます。なぜなら、大人になるほど、知らない人から話を聞くのは難しくなる一方で、それを求められるからです。特に、「営業」という仕事において、「アポ無し」の力があることは大きな強みになります。
ですので、恥ずかしがらないで「アポ無し社会科見学」にトライしてみてください。お父さんお母さんも、「ひと様に迷惑をかける」ことを過剰に恐れないで、後始末に一肌脱いで、子供の成長を助けるくらいの気持ちで見守ってあげてください。