執筆者:長尾和也 a.k.a. Longtail(コピーライター)
こんにちは。鳥取県鳥取市にて進路指導・学習指導を行っている塾ドリームラーナーズ・石原代表のお手伝いをしているコピーライターの長尾です。
学生のみなさん!暗記は好きですか?
結論から言いますが、いくつになっても勉強において暗記は大切です。
もちろん暗記すべきことと、そうでないことがあります。
たとえば、考え方の筋道、一般的にはロジックとか論理展開とか呼ばれているものについては暗記してもあまり意味がありません。一方、暗記していないとお話しにならないのが「言葉」です。というのも、何かを学習しようにも伝達手段は「言葉」だからです。
ですので、どの科目にしても暗記が基本です。暗記は大切なのです。
しかし、暗記を嫌いな人は多いようです。暗記を得意な人ですら、暗記が嫌いな人は少なくありません。私も、暗記は得意ですが、暗記が嫌いなタイプの人間です。
私の場合、暗記が嫌いなのは、黙々と時間を消費するのが嫌だから。未来のための時間の投資、なんて知ったこっちゃありません。私が大事にしたいのは、今日と明日。
そこで、思いついたのが「朗読暗記法」です。
これを始めてからガチでハッピーになりました。
「明日から」とタイトルに書きましたが、「今日から」も可能です。
朗読暗記法とは?

暗記したい内容を含む文章を声に出して覚える勉強法です。
音読の効用は、「声に出して読みたい日本語」という本のヒット以来、世間で知られているように思います。ただ、私の「朗読暗記法」のアイデアは普通の音読とは少し違います。
方法はシンプル。
めちゃくちゃに感情をこめて、演じるように読むのが「朗読暗記法」の特徴です。
たとえば、世界史でオスマン帝国が出てくるあたりを覚えるのであれば、「異教徒が刃物をもって襲い掛かって来る恐怖」とか「新しい価値観が生まれるワクワク」とかを演じながら読みます。個性派ナレーターになりきってください。
「演劇やったことないのに、そんなのできない」と思われた方もいらっしゃることでしょう。大丈夫。「朗読暗記法」にお客さんはいません。1人ぼっちの誰も見ていない部屋で、思うがままの演技をしてください。ドラマや映画の真似でいいのです。
朗読暗記法にはどんな効果?

なぜ「朗読暗記法」で明日からガチでハッピーになれるのか?
理由は3つあります。
1つ目は、記憶が圧倒的に早く定着するからです。喜怒哀楽といった感情を刺激された経験は、「思い出」となり、夢にも見るような記憶として脳に浸透していきます。「朗読暗記法」はこの仕組みを利用しています。
2つ目は、自己肯定感が高まります。自己肯定感が低いと、いわゆる「何をやっても自分はダメ」という卑屈な態度になっていきます。健康な社会生活を営むには、ほどほどな自己肯定感が必要です。朗読するという行為は、表現行為の一種です。そして、「朗読暗記法」ではその観客は自分自身だけ。つまり、自分で自分の表現行為を褒めれば、それが満場一致の意見となります。自己陶酔と批判する人もいるかもしれません。いいじゃないですか。演技を磨くことが目的ではなく、気持ちよく勉強することが目的なのですから。
3つ目は、体の調子がよくなる。嘘みたいな本当の話ですが、ちゃんとしたメカニズムがあります。まず、ある程度のまとまった文章を読むことを通じて、吐く息が主導の深い呼吸に変わっていきます。また、思う通りの声を出そうと思ったら姿勢も大事ですので、姿勢を自然と意識するようになり自律神経が整います。これはおまけですが、声帯も筋肉ですので使えば使うほど鍛えられ、カラオケがうまくなるという嬉しい副作用もあります。
「暗記」という目的を果たしつつ、自己肯定感で「明るい性格」になり、しかも「健康的」になれる「朗読暗記法」は、とても効率のよいエクササイズなのです。
勉強法は「効率」よりも「楽しさ」を重視

1粒で3通りのメリットを得られる「朗読暗記法」ですが、今すぐにでも始められる手軽さが嬉しいところ。数学の公式でも気持ちをこめて朗読してみてください。慣れてくれば「これをどのように朗読すれば暗記できるのだろう?」と考えられるようになります。
「朗読暗記法」が優れている最大のポイントは、楽しい気持になれる点にあります。「楽しい」ことは続けられるからです。ときどき、「効率」ばかり考えている人がいますが、短期決戦のときにはいいのですが、長期戦でアレをやってしまうと、機械のごとく振る舞っている自分に気が付いて大抵のひとは嫌になります。
ですので、勉強する時には「効率悪いなあ」とか「時間かかるなあ」と思っても「楽しさ」を重視しましょう。どのみち、継続していれば慣れてきて洗練され、効率化するのですから。
勉強は人生を楽しむためのツールですからね!